フランスリーグ・リヨンから、なでしこチャレンジリーグ(2部)の狭山に移籍した日本代表FW大野忍(29)が7日、合流わずか4日目でホームの日体大戦に出場した。前半37分から登場し、攻撃的MFとしてプレー。ワンタッチでのパス回しや、視野の広さで光るところを見せたが、シュートは1本に終わり無得点だった。

 試合後に行われた異例の入団会見では、大野は「(松田岳夫)監督からいきなり怒られました」とペロリと舌を出した。松田監督からも「半分も良いところが出ていない。まだまだあんなもんじゃないですよ」とダメ出しされた。

 言葉や食事などで不自由があったとはいえ、フランス1部7連覇中で世界最強ともいわれるリヨンから一転して、2部クラブからの再挑戦だ。「リーグはどこでも良かったんです。日テレ時代に自分の幅を広げてくれた松田さんのサッカーがやりたかった」。覚悟を決めた大野に対し、指揮官の言葉が厳しくなるのは当然だった。

 松田監督は「チームを強くするということでなく、大野がうまくなるために加入させた」とまで言い切った。「うまい大野」から「うまくて強い大野」へ。恩師の指導でレベルアップし、チームを2年ぶりの1部へと導きたい。【千葉修宏】