<プレナスなでしこリーグ杯:新潟0-0仙台>◇予選リーグ◇Aグループ第5節◇7日◇新潟市陸上競技場

 “ベガルタの日”を勝利で飾ることはできなかった。なでしこリーグ仙台レディースは敵地で新潟とスコアレスドローに終わった。主将を務めたなでしこジャパンDF長船加奈(23)、移籍後初めてセンターバック(CB)に入ったDF山本りさ(28)のコンビを中心に無失点に封じたが、攻撃陣が沈黙。1勝1分け2敗でグループ4位は変わらず、次節11日、ホームでINAC神戸を迎え撃つ。

 千葉監督の総括は正直だった。「負けなかったけど、痛いゲームかな、と。(前日6日に)INACと湯郷が引き分けて、ここから3連勝すれば首位だと話してきた。どんな形でもいいから“ベガルタの日”である七夕に勝ちたかった」。試合終了後はしばらくベンチに座ったまま、ピッチをにらみつけて考えを巡らせていた。悔しかった。

 またしても故障のアクシデントに見舞われた。試合2日前にDF下小鶴が右太もも裏を負傷。守備の柱でもあるチームリーダーを欠くことになり、山本をCBで初起用。「練習で1回試しただけ」(同監督)という苦肉の策だった。本人は「結果的にゼロで終われてホッとしてるけど、課題はある」と謙虚だったが、なでしこジャパンMF上尾野辺を中心とする相手の攻撃に冷静に対処した。

 下小鶴の代役主将を務めたのは代表帰りの長船。指揮官が「これからのチームを背負っていく長船に、あえて責任感を与えたい」と指名した。長船自身は「高校時代に選抜チームで1試合やったことがあるだけ。半端なく緊張しました(笑い)」。まとめ役ゆえの重圧を感じながら、何とか無失点でしのぎきった。

 攻撃面では終盤にDF坂井を最前線に上げる勝負手を打ったものの、前半からサイドバックの守備面で悪戦苦闘していたためガス欠状態。不発に終わったが、敵地で勝ち点1は確保した。新人MF成宮を後半22分という早い時間に投入して経験も積ませた。INAC神戸戦で下小鶴が復帰できるかは微妙な状況。ただ、今季2敗している相手だけに気合の入り方が違う。千葉監督が「3回は負けられない」と言えば、山本も「今度こそ勝てるように頑張る」と力強く誓った。【亀山泰宏】