<プレナスなでしこリーグカップ:INAC神戸3-1岡山湯郷>◇決勝◇1日◇エディオンスタジアム広島

 INAC神戸が、岡山湯郷に逆転勝ちで初優勝を飾った。1点を追う前半30分にMF澤穂希(34)のパスが起点となって同点に追いついた。後半に2点を奪い、昨年準Vだった無念を晴らして今季最初のタイトルを獲得し、国際女子クラブ選手権(11月下旬)の出場権を手にした。今季は同選手権、リーグ戦、皇后杯を合わせた4冠を狙う。MVPにはGK海堀あゆみ(26)が選ばれた。

 一発必中の攻撃参加だった。MF澤は0-1の前半30分、一気にゴールに迫った。ワンタッチでMFチ・ソヨンに渡して密集に飛び込む。澤をおとりにして、チ・ソヨンのスルーパスを受けたMF南山が右足で蹴り込んだ。澤のゴールを脅かす姿勢が、相手DFに混乱を呼び起こした。

 「南山とソヨンをうまく使いたかった。中盤3人で絡めて奪った点だったからすごくうれしかった」

 8月25日の準決勝千葉戦で2カ月半ぶりのフル出場したばかり。この日はバランスを重視した。「後ろからも『(攻撃参加は)待って』と言われて。あや(宮間)を抑えるのに必死だった」と苦笑いしたが、流れを見極めてきっちりと仕事。昨年は決勝で日テレに敗れた大会で初優勝した。

 6月20日に左足付け根を負傷して約2カ月のブランクをつくった。「澤さんに頼り過ぎていたのを感じた」と仲間に言われた。澤も以前は「いない時に皆がマイナスになってしまっていた。チームが前向きじゃないと感じていた」と話し「やっと痛みも違和感もなく試合ができた」と笑った。

 試合を視察した日本代表の佐々木監督は、澤について「コンディションは問題ないでしょう」。大黒柱の3カ月ぶり代表復帰も見えてきた。【益田一弘】