<国際女子クラブ選手権:INAC神戸4-2チェルシー>◇決勝◇8日◇東京・味の素フィールド西が丘

 INAC神戸が初優勝を飾り、今季3冠を手にした。故障で戦線離脱していたなでしこジャパンMF澤穂希(35)が、後半途中から1カ月ぶりの出場を果たすなど、同じ代表FW大儀見優季(26)の所属するチェルシー(イングランド)に圧勝。なでしこリーグ杯、リーグ戦に続く3タイトルを獲得し、史上初の4冠へ残すは皇后杯のみとなった。

 INAC神戸の大黒柱が1カ月ぶりに復帰した。後半26分、澤は元気よくピッチに登場。11月2日のリーグ戦で、右足首関節靱帯(じんたい)を損傷して以来の出番に「この試合に絡みたいという目標があった」と安堵(あんど)の表情を見せた。全体練習に加わったのは1週間前。山田チーフトレーナーは「ぎりぎりまで痛みが残っていたので、残りの1週間で少しずつコンディションを上げてきた」という。

 チェルシーは欧州CLを制したウォルフスブルク(ドイツ)の代役出場でイングランドリーグ7位。前半からゴールラッシュで実力差を示した。チームは昨年、この大会の決勝でリヨン(フランス)に延長の末に敗れた。主将FW川澄は「悔しさをバネにやってきた。それをぶつけることができた」。澤も同じ気持ちだった。

 これで今季はなでしこリーグ杯、リーグ戦に続いて3冠目。しかし史上初の4冠の目標がある。石原監督は「世界のクラブと戦って、3冠目が取れたことはうれしい」と話した。残るは11日に初戦を迎える皇后杯のみで、澤の復帰がチームに自信と勢いをもたらせたはずだ。【辻敦子】