<皇后杯:新潟1-0岡山湯郷>◇準決勝◇21日◇NACK

 新潟は岡山湯郷に競り勝ち、2大会ぶり2度目の決勝に駒を進めた。

 立役者は、なでしこジャパンMF上尾野辺めぐみ(27)だった。0-0の後半16分、ゴール正面から左に切り込んで左足シュート。相手DFに阻まれたが、はね返りに素早く反応した。右足で浮かせてゴール右上を狙うと、日本代表GK福元の手をかすめ、ふんわりとネットに吸い込まれた。

 11年のW杯優勝メンバーも、昨夏のロンドン五輪は落選した。「代表の前にクラブ」と目の前に集中し、今季は主将に就任。昼はクラブの普及活動で幼稚園などを回り、夜の練習と両立する。「主将といっても、私にはプレーで引っ張ることしかできない」と背中で引っ張り、この日は準々決勝の日テレ戦に続く2戦連続の決勝ゴールを奪った。

 リーグ戦は8位。降格危機から踏みとどまったものの「すべてキャプテンの責任。この悔しさは格上相手の皇后杯で晴らすしかない」と今大会にかけていた。決意通り、リーグ2位の日テレ、同3位の岡山湯郷を連破し、3連覇中のINAC神戸に再挑戦する。2大会前の決勝は0-3と粉砕されたが「当時は何もできなかったけど、成長した姿を見せたい」。上尾野辺の進化を示すのに、これ以上の相手はない。【木下淳】