<高校女子サッカー:日ノ本学園4-1藤枝順心>◇16日◇決勝◇ヤマハ

 7大会ぶりの優勝を狙った藤枝順心(東海1位=静岡)は、総体覇者の日ノ本学園(関西1位=兵庫)に敗れ、準優勝に終わった。前半45分にMF杉田妃和(2年)が左足の強烈ミドルで先制点を挙げたが、後半に4失点を喫し逆転負け。1、2年生主体のチームは大舞台での悔しさを糧に、まずは25日開幕の新人戦で11連覇を目指す。

 全国の壁は厚かった。パスサッカーで真っ向勝負を挑んだ藤枝順心は1点リードの後半にまさかの4失点。試合後、全校生徒を含めた約700人の応援団にあいさつすると、イレブンは悔し涙を抑えることができず、その場に崩れ落ちた。10年間続いた磐田開催で有終の美を飾ることができず、悔しい準優勝。多々良和之監督(49)は「率直に悔しい。このチームでこんなに大崩れしたのは初めてだった」と唇をかんだ。

 7大会ぶりの全国制覇を手にすることはできなかった。ただ、意地は見せた。前半45分、中央でボールを受けたMF杉田は得意のミドルで先制点を挙げ、今大会無失点を続けていた相手守備陣の牙城を崩した。一矢報いた杉田は「やれることはやり切ったと思う」。総体覇者から決めた貴重な1発は来季につながるはずだ。

 この日、スタメン11人中7人が1、2年生と下級生は大舞台での経験を積んだ。大会期間中、メンバー外選手は他校と練習試合を行うなど、新チームはすでに始動している。25日からは新人戦が開幕する。今大会3得点を挙げたMF河野朱里(2年)は「試合に出た選手が中心になって今年以上のチームを作りたい」。悔しさは残るが、下を向いている暇はない。

 DF奥川千沙主将(3年)も「この悔しさを受け止めて次につなげてほしい。来年は期待しています」と後輩に思いを託した。女王奪還に向けた挑戦は、もう始まっている。【神谷亮磨】