<高円宮杯U-18プレミアリーグ・イースト:青森山田高5-0流通経大柏高>◇第10節◇24日◇青森山田高グラウンド

 青森山田高が流経大柏高を破り、勝ち点9で最下位を脱出した。前半0-0で折り返したが、後半MF山下優人(18)がハットトリックなど5得点。守りは無失点に抑えた。7月までのリーグ前半は不振だったが、8月上旬の全国高校総体ベスト4で上昇。リーグ後半のスタートを快勝で飾り、巻き返しに弾みをつけた。

 強い青森山田が、高校総体に続いてプレミアリーグでも戻って来た。前半再三のピンチをしのぎ、後半10分、FW丹代藍人(17)が右足で先制。2分後には山下がPKをきっちり決め、その3分後にはFW松木駿之介(17)が頭で合わせた。5分間に3得点で試合の大勢を決めた。

 勢いは止まらない。ロスタイムに山下が2本のFKを直接ゴール。左足でゴール隅に見事な放物線を描いた。山下はハットトリックに加え、他の2ゴールもアシストし、全得点に絡む活躍。「前半DF陣が頑張って抑えてくれていたので、絶対決めてやると思った」と声を弾ませた。

 11年からスタートしたプレミアリーグで、青森山田は高校チームとして健闘を続け残留してきた。だが7月までの前半は1勝5敗3分けの勝ち点6で、イーストリーグ10チーム中最下位。残留に危機感も漂った。そんな中で高校総体では、優勝した05年以来9年ぶりのベスト4進出。上昇の糸口をつかんだ。

 松木は「インターハイは苦しい試合も勝ちきれた。だが準決勝で東福岡に負けて、逆に『もっと頑張らないと』という気持ちが強くなった。リーグ残留だけでなく上位進出して、来年後輩に引き継ぐため、今日は絶対勝ちたかった」という。山下も「ここから連勝していく」と張り切る。

 黒田剛監督(44)は「選手たちは成長し、意識が高くなった。体で勝ち方を覚えていくもの。今日のような試合をしていけば」とリーグ後半への手応えをつかんだ。【北村宏平】