<Jユース杯:鹿島ユース3-1清水ユース>◇準決勝◇20日◇ヤンマー

 9年ぶり3度目の優勝を狙った清水ユースは鹿島ユースに敗れ、準決勝で姿を消した。1点を追う後半6分にMF宮本航汰(18)が同点弾。主導権を取り戻したかに思えたが、同28分にミスから決勝点を献上。負傷明けのエースFW北川航也(18)が決定機を作るなど、イレブンは最後までゴールを狙ったが、届かなかった。

 敗戦を告げるホイッスルが鳴ると清水ユースイレブンは顔を覆い、その場に倒れ込んだ。背中には、いつまでも冷たい雨が降り注いだ。MF宮本は「平岡さん(宏章監督=45)を胴上げしたい。それがチーム全員の思いだった。勝負強さが足りなかった…」。9年ぶりの頂点を目指した戦いは、決勝を前に幕を閉じた。

 前半9分、自陣内でボールを奪われると、クリア仕切れずに先制点を許す。その後も鹿島ユースの徹底したロングボール攻撃に後手に回った。しかし、ハーフタイムに「焦らず(パスを)つないで、サイドに攻撃の起点を作ろう」(平岡監督)と戦術を再度確認。後半6分には狙い通り、サイドを起点にMF宮本が同点のネットを揺らした。

 これで悪い流れを断ち切った-はずだった。しかし同28分。左クロスを頭で合わせられると、雨でバウンドが変わる不運も重なり、GK山川卓己(18)が“トンネル”。痛い決勝点を奪われて力尽きた。

 2度の自滅で今季初タイトルが消えた。それでも、今季は大榎克己前監督(49)のトップチーム監督就任など、難しい環境の中で選手は奮闘。高円宮杯U-18プレミアリーグで2位、今大会も準決勝まで勝ち進んだ。指揮官は「選手はよくついてきてくれたし、最後までよく戦ってくれた」と、たたえていた。【前田和哉】