男は不言実行!

 G大阪の長谷川健太監督(49)が、集大成の15年にアジアの頂点を狙う。14年に日本人監督初の3冠達成。今年は自身初、G大阪として08年以来のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL、2月から)制覇という高い目標が課せられる。男は黙って結果を残すタイプの古き良き考えを持つ指揮官が、新春インタビューで就任3年目となる今季への思いを語った。

 日本人初の3冠監督への期待は、高まるばかりだ。1年目の13年にJ2優勝、2年目の昨季はJ1リーグ、ナビスコ杯、天皇杯を制覇。G大阪就任後は、主要タイトルはすべて奪った。残すは自身初挑戦となるACL。アジア制覇への意気込みを問うと、顔をしかめた。

 「不言実行のタイプなんでね。(優勝とは)言いません。今年は追われる立場なのでしょうけれど、それよりもACLにチャレンジできる楽しみの方が強い。楽しみで仕方がないです」

 大型補強はせず、現有戦力で臨む方針だ。今年も軸に据えるのは、1月で35歳になるプロ18年目の遠藤になる。

 「(遠藤を)外そうと思ったことはないですね。代表に呼ばれてタイトな日程になり、大丈夫じゃないと思ったけど、それでも『ガンバレ!』みたいなね。彼のすごいところは味方から自分の意図したパスが来なくても怒ったりしない。彼が大人の対応をするから雰囲気が悪くならないし、若手も萎縮しない。頼もしい主将。ヤット(遠藤)がいたから3冠が取れた」

 今季からリーグ戦は、04年以来の2ステージ制に戻る。昨季は序盤戦で苦戦し、J2降格圏16位からの大逆転で優勝。戦い方は変わってくるだろうか。

 「(勝ち点計算の)考え方は変えないといけない。チームの完成度もまだ100%ではない。宇佐美、パトリックの2トップは組んで半年。今ちゃん(今野)とヤット(遠藤)のダブルボランチも、W杯後からはまった。まだ上に行ける要素はあります。ACLも入って日程的に厳しい中で、チーム全員の力を出さないと勝ち上がれない」

 J1昇格時の13年オフに結んだ契約は、今季限りで満了になる。15年は健太ガンバにとって集大成のシーズンになる。【益子浩一】

 ◆14年G大阪の3冠

 11月8日のナビスコ杯決勝は、広島に2点のリードを許しながらもパトリック2発、大森の勝ち越し弾で3-2で劇的に優勝。12月6日のリーグ最終節は徳島に0-0の引き分けも、優勝を争った浦和、鹿島がともに敗戦。そのため史上最大勝ち点14差からの大逆転Vが完結。同13日の天皇杯決勝は宇佐美の2得点1アシストの活躍で3-1で山形(J2)を破り、3冠を達成した。