<高校サッカー:東福岡3-0草津東>◇2回戦◇2日◇ニッパ球

 98年度以来3度目の優勝を狙う東福岡(福岡)が草津東(滋賀)に快勝した。J1横浜入りが内定しているU-18(18歳以下)日本代表MF中島賢星(3年)が、2戦連発で勝利に貢献。横浜の公式戦も数試合が行われるニッパツ三ツ沢球技場で一足先に“ホームデビュー”を飾った。

 あいさつ代わりの1発だった。横浜入りが内定しているMF中島が、将来の準ホームで“鮮烈デビュー”だ。2点リードで迎えた後半ロスタイム2分だった。「練習していた通り。いい判断ができた」と、ペナルティーエリア左付近から、飛び出した相手GKを見透かし技ありループ。2戦連発で3回戦進出に貢献。徹底した厳しいマークに耐えながら高校生NO・1司令塔が力を発揮した。ニッパツ三ツ沢球技場で暴れ「ここでプレーできてうれしい。ホームで戦っているような感じだった」と声を弾ませた。

 横浜には懐かしい思い出も詰まっている。中島は佐賀県生まれだが、父親の神奈川県転勤により小3~5年までは横浜の下部組織に所属した。当時の主力にはDF中沢や11年に亡くなった松田直樹さん(享年34)がいた。特に母、兄と観戦し、FW久保がいた03年の優勝が特に印象に残っているという。小5の終わりに福岡に転校することになったが、「引っ越したくなかったが、またこのチームに戻ってこれるよう頑張ろうと思っていた。ずっと忘れずにいた」と、胸に秘めた思いは変わらなかった。

 「質の高い仕掛けや落ち着きをマネしたい。想像しています」と、元日本代表の横浜MF中村を手本にしている。入団後も、中島は「間近で吸収していきたい」と飛躍の糧にするつもりだ。97年度からの選手権2連覇に導いた志波芳則総監督(64)が「パワーがある。両ワイドを含む攻撃力は今までで1番」と評すヒガシの大黒柱として突き進む。【菊川光一】

 ◆中島賢星(なかしま・けんせい)1996年(平8)9月23日、佐賀県生まれ。小1でサッカーを始める。部員200人を超える東福岡では高1からトップ下で主力。U-15、U-18日本代表。50メートル走6秒2。182センチ、73キロ。家族は両親と兄。血液型AB。