7年ぶりの2度目の優勝を狙う流通経大柏(千葉)に“勝者のメンタリティー”が伝授された。10日のサッカー全国高校選手権準決勝(埼玉ス)に向けて、4年ぶりに4強に進出した流通経大柏は7日、練習を再開した。千葉・柏市内の練習場には、9度の日本一を経験した元帝京監督の古沼貞雄氏(75)が訪れた。

 ピッチサイドのベンチから、古沼氏は練習に熱視線を送った。練習中には指示を出さず、練習後に集まった選手に向かって口を開いた。「7年ぶりのチャンスだ。このチャンスは、毎年来るわけじゃない」。オフ明けでやや体が重かった選手へ、最良の激励となった。今大会は矢板中央(栃木)のコーチとしてベンチ入りしていたが、2回戦で流通経大柏にPK戦の末に敗北。「よくなっていると思うよ」と、前橋育英(群馬)を破っての決勝進出へ太鼓判を押した。

 古沼氏はチームに幸運ももたらす存在と言っていい。7年前、FW大前(清水)らを擁して初優勝をした際には、臨時コーチとして参加していた。親交が深い本田監督は「運が強い人でもある」と信頼している。ここまで3得点のFW高沢は「経験を積んでいるすごい人。もっと話を聞いてみたい」と話していた。