全国高校サッカー選手権の準決勝が今日10日、埼玉スタジアム2002で行われる。出場4校が9日、各地で最終調整。過去4強4度の前橋育英(群馬)は県勢初の決勝を目指し、07年度優勝の流通経大柏(千葉)と対戦する。

 前橋育英のU-19(19歳以下)日本代表MF渡辺凌磨(3年)が“5度目の正直”で歴史をつくる。埼玉県内のグラウンドで、リラックスした雰囲気で練習を行った。前日8日には、準決勝で敗れた過去4大会の試合をまとめた約15分の映像を見て、気持ちを高めた。「その時の状況を思うと、悔しさが分かる。歴史を変えたいという一心で臨みたい」と意気込みを明かした。

 5日の準々決勝後は群馬に帰らず、8日まで静岡・御殿場市で合宿を行った。前回4強進出した08年度は学校に戻り、周囲から「すごい」と言われて慢心し、調子を落とした苦い経験がある。今回は山田監督らが、始業式などを免除してほしいと懇願し、学校側に許可された。準決勝は全校応援となり42台の大型バスで応援団が駆け付ける。今大会無得点の渡辺は「ゴールで貢献したい。泥臭く戦えば、会場も後押ししてくれる」と話した。