<高校サッカー:前橋育英1-1(PK戦5-4)流通経大柏>◇準決勝◇10日◇埼玉

 7大会ぶりの優勝を狙った流通経大柏(千葉)は、決勝切符をつかみ損ねた。1-0の後半45分。クリアボールを拾われ同点弾を食らった。勝利を間近にしていたが、追い付かれて嫌なムードのままPK戦へ突入。2人目のFW高沢がポストに当てて外し、敗退した。

 ベテランの本田監督は「プラン通り。ただ、最後の5分がいけませんでした。1-0で最後の5分をどうするか。ミーティングではしっかり守ってカウンターからもう1点と指示したんですが、できなかった。残念です」と振り返った。最後の詰めを誤った。

 後半27分に、J1東京入りが内定しているDF小川の見事なシュートで先制した。小川は抜群の身体能力を生かし、左MFから中央へ、時に最前線にまで顔を出す神出鬼没の動き。大黒柱がゴールを奪う狙い通りの展開だっただけに、悔しさが募る。

 ただ、選手に涙はなかった。小川は「流経では、負けて泣くなと言われていますし」と説明。試合後も最後まで本田監督の教えを守ったが、ピッチ上で戦いの指示を遂行できず敗れた。

 J1の強豪で挑戦を続ける期待のレフティーは「将来は日本代表としてW杯で日本を優勝に導けるようなプレーヤーになりたい」と誓った。この悔しさも糧にする。