<チャリティーマッチ:KOBE

 DREAMS3-2JAPAN

 STARS>◇17日◇ノエビアスタジアム

 阪神・淡路大震災から20年。神戸OBらで構成した「KOBE

 DREAMS」のFW三浦知良(47=横浜FC)が2ゴールし、ふりを変えた2種類のカズダンスを披露した。日本代表OBの「JAPAN

 STARS」監督を務めた岡田武史氏(58)とのマッチアップでも沸かせ、11年の東日本大震災後のチャリティーマッチに続き、被災地に、日本に希望を届けた。

 キングカズの2ゴールに、カズダンスに、神戸が沸いた。後半3分に途中出場し同12分、ゴール前で右クロスに頭を合わせた。そのまま、サポーターで埋め尽くされたスタンドに向かい、軽やかなステップをささげた。同34分にも、大会発起人MF吉田からのパスを受け、2点目。ベンチ前で2回目のカズダンスを披露した。後半終盤にはDF和田から右クロスが上がり、もう少しでハットトリックの場面もあった。

 「ゴールに行く意欲は、ずっと見せたいと思っている。でも、3回もカズダンス見たくないでしょう」。冗談交じりで振り返ったが、ダンスに込めたひそかなこだわりも明かした。

 「90年代と、10年代のカズダンスやったんだけど、分かりました?」。1点目は40代の、2点目は20代の頃のダンスだった。「1回目で、昔のをやれば良かったと後悔したら、もう1点取れたので。2種類って(観客が)思っているか分からないですけど、僕の中では全然違うんです」。2種類の代名詞を、被災地神戸のファンに披露していた。

 後半序盤には、プレーヤーとしても出場した岡田氏とマッチアップ。会場を沸かせた。カズは笑いながら「うざかったですよね、あの人。(岡田氏に)『来い、来い』とか言われて。でも、それも楽しかった」。98年、代表監督だった岡田氏は、W杯最終登録からカズを外した経緯がある。それさえも、チャリティーマッチを盛り上げる演出へと変えた。

 20年前のこの日、イタリア・ジェノバで阪神・淡路大震災の一報を受けた。テレビ画面越しに、傷ついた神戸の姿を見た。大きな衝撃を受けたことを今も覚えている。東日本大震災後に行われた11年3月末のチャリティーマッチでも、ゴールを決めた。東北の被災地にささげたダンスは、大きな話題となった。

 「サッカーしかしてこなかったし、サッカーしか出来ない。でも、サッカーで、子どもから大人まで、たくさんの人が集まって復興支援につながる。グラウンドで自分がプレーして、皆さんが喜んでくれたなら、それがメッセージ。それが、自分に出来ること」

 キングカズなりの復興支援を47歳の体で、グラウンドで表現した。【鈴木絢子】