なでしこリーグ仙台レディース千葉泰伸監督(43)が、今季テーマに「強奪速攻」を掲げた。3日、チームは仙台市内で始動。前日2日「堅守賢攻」をスタイルにするとした男子の渡辺晋監督(41)に対し、女子は昨季まで基本となった「堅守速攻」からバージョンアップ。より高い位置からボールを奪って得点につなげ、上位進出を目指す。

 約2時間、ランニング中心のメニューを見守った千葉監督は「堅守だと守るイメージが強い。ボールを奪いにいく強いプレーをやらないといけない」。年間7位の昨季は決定力不足に泣いた。打開策の1つとして守備から積極的に仕掛けてボールを奪い、ゴールに結び付ける狙いがある。

 その中心になるのが、なでしこジャパンMF川村優理(25)だ。昨年は国際Aマッチ7試合出場1得点。女子アジア杯初優勝にも貢献して代表に定着した。対人の強さが武器で、「強奪」にうってつけのボランチ。鮫島彩(27)長船加奈(25)の両DFとボランチ上辻佑実(27)が移籍し、守備を不安視する声もあるが「このチームでどこまでやれるのか、楽しみの方が大きい」とプラスに捉える。

 6月には女子W杯がカナダで開幕。代表ではセンターバックもこなし「周囲を見渡すことができるようになった」と視野の広さを手にした。千葉監督も「中心プレーヤーは川村。期待するところは大きい」。仙台レディースで「強奪」を体現しながら、4年に1度の世界舞台へのステップにする。【久野朗】