清水と磐田の「東日本大震災復興支援チャリティーマッチ」が9日、アウスタで行われ、1-1で引き分けた。
日本平に清水と磐田のサポーターが奏でたベガルタ仙台の応援歌が響いた。「がんばろう!日本
静岡からチカラを」と題したチャリティーダービーは終生のライバルチームとサポーターを1つにして、東日本大震災で傷ついた人たちと街にメッセージを送った。磐田GK川口能活(35)が言った。「真剣勝負じゃないと『勇気』は伝えられない」。言葉通りのプレーの末引き分けた。
2つの力が1つになり大きなエネルギーが生まれた。清水と磐田の選手たちは、復興への願いを込めたおそろいのTシャツに身を包み、ピッチに登場した。両クラブの選手が交ざり合い集合写真に納まると、センターサークルで地震のため亡くなった方を追悼する黙とうを行った。スタンドには「清水の地より届け!
俺達の想い」「静岡のサッカーファミリーが一致団結して大声で思いを届けよう!」など、いくつもの横断幕が掲げられた。
同県に位置しJ最大のライバルクラブ同士の「静岡ダービー」。試合が始まれば、決してフレンドリーマッチではなかった。前半、清水MF小野の直接FKを磐田GK川口がはじき出した。こぼれ球の処理で川口が清水DF岩下と接触して、右目尻を流血した。果敢に体を張った川口は「真剣勝負を見せることで、初めて勇気を与えられると思う。遊びじゃ、勇気も与えられない。こんなのは、かすり傷にも入らない」と、プロサッカー選手としての使命に徹した。
その思いは川口だけではない。小野は試合前のセレモニーで「僕たちが不自由なく生活できていることに感謝している。今は1日1日、やるべきことを一生懸命にやって、たくさんのエネルギーを被災地に届けたい」とあいさつ。古巣との対戦になった清水FW高原も「静岡から少しでも自分たちの声を届けられれば、という思いでやった。普段ライバルの2チームが1つになってできたことが良かった」と、東の空を見つめた。
両クラブのサポーターも全力で賛同した。J1仙台の応援歌のメロディーで「いざ行け、ニッポン、オー、行くぞニッポン!
俺らとともに、レディゴー!!」と熱唱。オレンジとサックスブルーのハーモニーが日本平にこだました。
出場最年長の川口は言った。「静岡ダービーを何試合もやってきたけど、こんな雰囲気で試合をしたのは初めて」。アメリカ国籍のゴトビ監督が言った。「今日のゲームは希望のシンボルだ。日本が強く団結していることを証明した」。勝敗以上に意味のある「伝統の一戦」が静岡で行われた。【為田聡史】



