J2東京の株主総会が27日、都内で行われ、出資企業である東京電力の木村俊一非常勤取締役の退任を承認した。阿久根謙司社長(49)は「東京電力さんの申し入れによります。理由はこちらから言えません」と話した。

 東京電力は東京の主要株主で大口スポンサー。だが、福島第1原発事故により、周辺住民らへの巨額の損害賠償の支払いが発生する見込みで、クラブ側とスポンサー撤退の方向で協議中。突然の退任で10年度に10人いた取締役は、本年度は9人。阿久根社長は「新たに東京電力さんから出向で来ることはありません」と話した。

 今季のスポンサー契約については同社長は「まだ、協議中です。結果が出るまで、こちらから言うことはありません。現在、東京電力さんは1日1日が勝負で、先方の意見を待っている状態。意見が出てから慎重に考えていきたい」と言った。

 東京は3月末、東京電力側から「広告掲載を控えてほしい」と依頼され、クラブハウス、ホームスタジアムの看板を撤去。24日の千葉戦ではユニホーム背部の「TEPCO」のロゴなしユニホームを着用していた。株主総会は約20分で終了し質問はなかった。【塩谷正人】