将棋の「歩」が集まれば大きな力になる。浦和MF柏木陽介(23)は8日、1-3で今季4敗目の苦境に「現実逃避することは簡単やけど、アカン時こそ前を向いて戦う」と、力強く話した。

 練習前のミーティングは約1時間。ペトロビッチ監督(45)は柏戦の映像を見せながら「もっとできるメンバーがそろっている。この試合は恥ずかしい」と、怒りで声を震わせた。

 選手個人の能力は高く、結集すればチーム力は強い。柏木は将棋の駒を例えに「1人1人が飛車、角や金銀や王将ではなく、歩にならないと。その中で自分の良さを出せたらいい」。王将を集めたチームより、11人の歩兵軍団の方が強い。意思統一された歩兵の力は、王将を打ち負かす。

 プラス要素はある。今後、リーグ戦とナビスコ杯で4試合連続のホーム戦。監督は「全員で一緒に、ホームの試合の連続で(苦難を)乗り越える」と力説した。