ヤナギがついにユアスタのピッチに立つ。仙台のFW柳沢敦主将(34)が今日15日のホームG大阪戦で途中出場する可能性が高くなった。手倉森誠監督(43)が14日までに明かした。今季新加入し、ホームでベンチ入りするのは初めて。この日、今季初めて使用した泉サッカー場での最終調整でも軽快にピッチを駆け回り、好調を維持している。

 待ちに待った日がやって来た。元日本代表FW柳沢がユアスタで見られる。5日、ナビスコ杯アウェー柏戦で初ベンチ入りを果たしたが、ホームでは初めて。出場すれば今季公式戦は初出場となる。本人も「やっとこの日が来た。楽しみです」と胸を躍らせた。

 相手はJトップクラスの攻撃力を誇るG大阪。柳沢は好敵手を歓迎する。「今の仙台の好調さを証明するには良い相手。強い相手にどこまで結果を出せるか」。警戒しなければならないのはやはり日本代表MF遠藤だ。

 柳沢

 遠藤はクレバーで技術が高い選手。ゲームの流れを90分の中で、コントロールし、変えてくる。その時、その時で判断し、対応しなければならない。

 06年W杯ドイツ大会では日本代表のチームメートとしてともにプレー。現在、代表の大黒柱となった遠藤の怖さを知り尽くしている。

 「魔の時間」についても言及した。仙台は現在4勝5分けで3位。5分け中、3試合が試合終了直前に失点し、追いつかれた。

 柳沢

 チームにズレがあるわけではない。最後は時間をうまく使うのも手。勝った時はそれができていた。ゲームを終わらせる意識も大事。

 百戦錬磨の柳沢の言葉は今の仙台にとって何よりも重かった。

 手倉森監督も柳沢の復活に期待している。「動きが良くなってきている。G大阪戦で出したい」と13日の紅白戦後に明かした。柳沢のボールを引き出す質の高い動きだしが、仙台の攻撃陣に厚みを持たせる。ベガルタの背番号30がユアスタのピッチに歴史を刻む。【三須一紀】