<J1:清水2-1山形>◇第15節◇15日◇アウスタ

 山形はPKに泣き、PKに笑って、PKで沈んだ。後半ロスタイム、清水MFアレックスにゴール左隅へ決められ、「PK合戦」に終止符が打たれた。両軍合わせて4本のPKを打ち合った。そのうち3本は山形のチャンス。それでも、今のチーム事情を反映しているかのように勝てない。

 PK1本目。MF船山祐二(26)のゴールは幻に終わる。前半ロスタイム、船山がペナルティーエリア(P)内で倒されPKを獲得。大役を任された船山が冷静に左隅に決めて先制…のはずだった。ところが直後に家本主審の笛が鳴る。キッカー以外の選手が蹴る前にP内に侵入したとの判定。蹴り直しも同じコースをついたが、GK碓井にセーブされた。

 “三度目の正直”は実らなかった。後半43分、この日3本目のPK。「ジャンボ」ことFW大久保は勇気を持ってほぼ正面に蹴りこんだ。5月28日の甲府戦以来、待望のゴールはジャンボにとってのJ1初得点。MF伊東の突破でつかんだ千載一遇の好機にキッカーとして立候補。大役を務め上げたが空砲に終わった。

 これでリーグ戦6試合連続勝ちなし。清水にもJ1で5戦全敗。難敵相手に見せ場はあった。圧倒する場面もあった。1度はネットも揺らした。しかし結果は1-2。日本平の暗い夜に、明かりはともらなかった。【湯浅知彦】