「世界で一番速い男でもミスはするんだ」。山形の小林伸二監督(51)が、連休明けのチームを鼓舞した。4連休を終えて練習を再開した1日。リーグ戦24試合を振り返り、「小学生もミスをする。でも、あのボルトでもスタートを失敗するんやから」と話した。今季、勝てなかった試合に共通する事象は「ミスがそのまま失点につながった」こと。大きな課題に対し、世界陸上の男子100メートル決勝で大本命だったウサイン・ボルトが、フライングで失格になった例を挙げ、激励した。

 8月27日の仙台戦に1-2で敗れ、10試合を残して15位大宮との勝ち点差は11。深刻な状況に陥った。ミスを減らすには、練習しかない。この日、午前中は恒例のランニングをこなした後、体幹と筋トレで鍛えた。普段より多めの分量に、選手は苦痛の表情を浮かべていた。ある選手は「休み明けはいつもきついけど、今日は別格じゃない?

 何か、おなかも痛くなってきた」と足早にクラブハウスに引き揚げていた。

 4日には、再びユアスタで仙台と練習試合を行う。夏場に故障した選手もほぼ戻ってきた。終盤戦までの調整期間は10日。最後に笑うために鍛えまくる。【湯浅知彦】