<J1:G大阪0-2甲府>◇第27節◇24日◇万博

 G大阪がついに負けた。首位固めを狙った甲府戦で完敗。後半17分に先制されると、ロスタイムには日本代表FWハーフナー・マイク(24)のダメ押し点を許し、今季初の完封負けを喫した。7月23日磐田戦から続いた無敗試合も「11」でストップ。暫定首位こそ守ったが、今日25日に柏が勝てば約1カ月ぶりにトップから陥落する。05年以来の優勝へ向けて、痛い痛いホームでの黒星となった。

 秋風吹く万博が怒声に包まれた。首位固めをするはずのG大阪が、J1残留を目指す甲府に完敗した。今季リーグ戦負けなし(10勝3分け)だった肌寒いホームで、何ともお寒い試合…。MF遠藤は「自滅。自分も含めて、あれだけミスが多ければ。今日の出来ならゼロが妥当」と嘆いた。今季初の完封負けに、ブーイングするサポーターからは「どっちが首位やねん!」の声も飛んだ。

 負けてはいけない相手だった。この試合まで11戦負けなし、最後の黒星は7月16日のアウェー甲府戦だった。西野監督は「3カ月で同じチームに2度落としては…相性では片付けられない。残念です」とため息。前線は簡単なミスを繰り返し、得意のパスサッカーは最後まで消えたまま。右足内転筋痛を抱えるMF遠藤の動きは重く、得点源のFWラフィーニャはシュート0に終わった。

 見えない「敵」が硬くしたのだろうか。優勝争いで最も警戒する名古屋が前日23日に快勝。得失点差で並ばれた。西野監督は「得失点差を強調して先制して早めに加点、と言っていたのに。全体が慌てて前に行きミスを重ねた。もう少し、ゆとりを持って落ち着けば」と悔やんだ。決して固くない甲府守備陣から大量得点を-。推進力のあるMFキム・スンヨンを先発起用したが、指揮官の思惑通りにはいかなかった。

 残り7試合。今日25日に柏が大宮に勝てば、首位から陥落する。次節10月2日の浦和戦(万博)はクラブ創設20周年記念試合。黒の特製ユニホームで臨み、6年ぶりのJ王者へ負けられない戦いは続く。MF遠藤は「まだ上にいることは変わりないし、次に生かさないと。いい薬になったと思う」と前を向いた。真夏に抜群の強さを見せたG大阪。「収穫の秋」へ、ここで歩みを止めるわけにはいかない。【近間康隆】