鹿島MF小笠原満男(32)が「東北人」の活躍に刺激を受け、9年ぶりのナビスコ杯奪還を誓った。鹿島は同杯決勝(29日、国立)で浦和と対戦。25日、茨城・鹿嶋市内のクラブハウスで「自分も彼らに続きたいですね」と話した。

 前日24日、WBA世界ミニマム級王座奪取に成功した八重樫は、岩手・盛岡市出身の小笠原と同郷の北上市出身。都市対抗野球では青森市出身のJR東日本東北(仙台市)森内投手が完全試合を達成し、被災地に明るいニュースを届けた。

 取材陣から2人が東北出身ということを聞いた小笠原は「そうなんですか。素晴らしい。被災地の方の中には、勝てば、やっぱり喜んでくれる人がいる」と発奮。東北サッカー界復興を掲げ「東北人魂を持つJ選手の会」発起人となった小笠原の闘志をかき立てた。

 同会ではリーグ戦に被災地の子どもたちを招待し、触れ合う機会を設けている。ナビスコ杯決勝はチケットが即日完売。準決勝からの日程が短かったこともあり、企画することはできなかった。それでも小笠原は「ここまでふがいない結果に終わっている。優勝して被災地のファンの方々を喜ばせてあげたい」と熱く語った。【塩谷正人】