極寒の御殿場で初日から走り込んだ。J2山形は26日、静岡・御殿場市内で第1次キャンプを開始。山形・天童市のクラブハウスからバスで約8時間かけて移動し、到着後すぐに練習を始めた。午後5時の現地気温は0度。同時刻に氷点下1度だった天童と大差はなかったが、約1時間にわたってランニングメニューなどに精を出した。奥野僚右監督(43)は「今日は選手の表情が良かった。ここは施設も充実しているし、良いことずくめ」と上々の滑り出しとなった。

 日本一の富士山を背に、「モンテ戦士」が本格始動した。約8時間バスに揺られ続けた直後のトレーニング。だが選手たちの表情から疲労の色は感じられなかった。時間を設定したランニングやボールを使った練習で、約1時間の調整を行った。奥野監督はハードなスケジューリングについて「今はまだ体を休める時期ではない。長時間の移動も含めて、体調を整えることが大切。次の日、次の日を考えてやっていきたい」と意図を説明した。

 キャンプ地は静岡といえど、富士山の麓である御殿場市と裾野市。朝夕の冷え込みは厳しい。黙々と走り続ける選手たちの吐息も、午後5時を過ぎれば白くなっていった。気温は0度。練習後、「寒い、寒い」と悲鳴が飛び交うのも当然だった。DF西河が「寒すぎる。靴を履き替える余裕もない」と小走りで宿舎に引き揚げれば、静岡・藤枝市出身のDF石川も「ここは(寒さが)全然違う。道が凍ってるじゃないですか」。地元出身者もお手上げだった。

 とはいえ大きな故障者もおらず、寒さを除けば上々のスタートに違いはない。奥野監督は、御殿場キャンプを「(シーズン終盤の)11月に向けての第1歩。もう少し近づけば、開幕戦に向けた積み重ねの第1歩。チームの目指す形を見ていきたい」と位置付け、単なる体力強化ではないことを主張。戦術面も考慮しながら日程をこなしていく。3月4日に迎える千葉との開幕戦まで、あと40日を切った。御殿場は寒くても、イレブンの熱いポジション争いはすでに始まっている。【湯浅知彦】