生粋の東北人がゴールを量産する。J2山形は27日、静岡・裾野市内で第1次キャンプの2日目を迎えた。午前の部では、いきなりシュート練習を敢行。昨季はJ2草津で8得点を挙げたFW万代宏樹(25)は、豪快なフォームでゴールを脅かしていた。

 184センチの長身イケメンは仙台で生まれ、福島で育った。04年から4季は仙台(当時J2)でプレー。5年ぶりに東北のクラブに戻ってきた。「山形からオファーが来たときは素直にうれしかった。やっぱり東北でやりたい気持ちがあったので」と地元愛に満ちあふれている。

 環境面も重視した。昨季所属していた草津は、主に人工芝のグラウンドで練習。天然芝のように深さもなく、水を含めば滑りやすい。サッカー選手にとって「心臓」ともいえる両足に、負担がかかる。一方、山形ではしっかりと芝が手入れされているコートを約3面も利用できる。「人工芝だとできるメニューも制限される。施設も大切」。存分に成長できる道を選択した。

 毎年、数字を挙げて目標を立てていない。ひたすらゴールを狙っていく。「点を取り続けていれば(試合に)使ってもらい続けると思う」。“みちのく産”のストライカーが、山形をJ1へ導く。【湯浅知彦】