モンテの絶対的エースは、公私ともにチームの核になる。J2山形は20日、第3次宮崎キャンプの実質的なスタートを切った。サーキットトレーニングやゴール前での攻防、ミニゲームなど約3時間の構成。今季、J1広島から完全移籍したFW山崎雅人(30)は長丁場の練習に「キツイっすね」と話しながらも、充実の表情を浮かべていた。

 昨季は7月に期限付きで加入すると、いきなり6戦4発。低迷するチームを救う「救世主」とまで呼ばれたが、結局チームは降格。山崎も責任を感じていた。自身初のJ2リーグには「正直、どんな感じか分からん。J1みたいにある程度、相手に(ボールを)持たれとった方がいいかもしれんし」と未知数な部分もある。それでも「期待も大きいと思うし、しっかりやりたい」と静かに闘志を燃やした。

 FW陣ではチーム最年長。第1次御殿場キャンプ(静岡)では、新加入のFW中島、万代と同部屋だったこともあり、すでに兄貴分となりつつある。この日の練習後は万代と最後まで居残ってボールを蹴り続けた。「楽しくやれてるし、連係も上がってきてると思う」と相性もいい。

 18日のC大阪との練習試合では、後輩2人の2トップを1・5列目で支えた。守備に回る時間も多く、持ち味である「裏への飛び出し」は鳴りをひそめ「100%でやれたとは言えない。自分は全然ダメやった」と猛省。だが結果は出ずとも、大黒柱には得点が求められる。「リズムが大事。試合の間隔を空けずに取れればポンポン入ると思う」。ライオンがウサギを全力で狩る。山崎も初のJ2で全ての相手に牙をむく。【湯浅知彦】