仙台GK林卓人(29)が自然体で代表定着を目指す。親善試合アイスランド戦(24日、長居)に臨む日本代表に初選出。タイ遠征から帰国した20日、キャンプ地の宮崎に戻ったチームを離れて単身、合宿が行われる大阪へ向かった。GKというポジションゆえ、試合には1人しか出場できない激しい競争が待ち受けるが、「僕は僕。普段通りにやるだけ」と淡々。気負うことなく、ありのままの自分を見せることで出番を勝ち取ろうとしている。
代表合流を目前に控えたバンコクで、林が決意をにじませた。「アピールするのはもちろんだけど、どうやってするかなんて考えてない。普段やってることをやるしかない。僕は僕なんで」。初代表、しかも国内組のみという今回のメンバーを考えれば、日の丸定着へ向けて、気合が入らないはずはない。それでも「僕も含めて、みんなが気合を入れてくるのは当たり前」と、どこまでも冷静に話した。
フィールドプレーヤーと違い、ピッチに立てるGKは1人。アクシデントでもない限り、途中出場も望めない。そんな激しい競争も当然とばかり、意に介さなかった。「GKは1人しか出られないからとか考えたことがない。出られる保証がないのはフィールドプレーヤーだってそう。クラブも代表も競争。それがサッカーなんで」とひと息でまくし立てた。出場機会を奪い合うライバルたちの存在も、過剰に意識する気配はなし。「意識の高い人が集まるだろうし、いいものを吸収して刺激にしたいというのはある。でも、僕も僕のやってきたことをやるだけ」と強調した。
そんな林も代表の影響力には少なからず驚いた様子だ。「親戚が増えるって言いますけど、友達が増えたのは間違いないですね。あまり連絡を取ってない人からも連絡が来ましたから」と苦笑した。そうやって柔らかな表情を見せたかと思いきや「それだけ注目されてるってことですから、それに値するプレーをしないといけない」と、すぐに気を引き締めた。
昨季リーグ最少失点のチームの要として戦い抜いた経験からか、言葉の端々にのぞく自信。ありのままの林卓人を見せれば大丈夫-。福岡空港でチームと分かれ、大阪行きの飛行機に向かう大きな背中が語っていた。【亀山泰宏】
◆GK3冠王
昨季の林は、Jリーグの公式記録にもなっている防御率(1試合90分あたりの失点数)、枠内シュートを防いだ確率を示すセーブ率、フル出場して無失点だった完封試合数でリーグ1位となり、GK3冠王に輝いた。ベストイレブンを受賞した元日本代表の名古屋GK楢崎を上回る成績を残した。



