清水のルーキーDF犬飼智也(18)が2月29日、3年間通った静岡農で行われた激励会に出席した。清水ユースの大榎克己監督(46)と共に全校生徒の前であいさつし、抱負を語った。さらに、第4節札幌戦(31日、アウスタ)のチケットを生徒と教職員を含め約800枚をプレゼント。現在、開幕に向けて猛アピール中で「札幌戦で出られたら最高」と後輩たちに勇姿を披露する日を夢見た。

 今日1日に卒業式を迎える同校と清水ユースを両立させた生活は、“オレンジ”に染まっていた。農業高校とあって、生物生産科で果樹専攻。実習が多く週に3回は山へ行き、ミカン栽培が一番の思い出だった。「肥料をあげたり、害虫を駆除したりしました」。収穫したミカンは販売もされた。愛知県に住む祖父が農家ということもあって農業高校を選んだが、思わぬところでエスパルスカラーと縁があった。

 同級生たちに先駆けて、社会人としての生活をスタートさせて約1カ月半。この日が初めての給料日だった。両親にはプレゼントを贈る予定だが「開幕戦出場は狙わないといけない。チャンスはもらっているので生かしたい」と最高の恩返しを誓った。【栗田成芳】