頭と体を使って「山雅対策」はバッチリだ。J2山形は8日、天童市内で松本戦(11日=松本)に向けて“3時間”の練習を行った。とはいえ午前9時30分の開始時間には、練習場に選手の姿はなかった。実は、クラブハウスで開幕節の「東京V対松本」を視聴していた。奥野僚右監督(43)を中心に、攻撃パターンや弱点をピックアップ。ただし、見ながら教えるのではなく、各自に考えさせるように落とし込んだ。

 「ツバメの巣で、ひな鳥がエサを待っているようになってはいけない。言われたまんまの意識が擦り込まれないように」と独特の表現で意図を説明。奥野監督は就任以来、何事に対しても固定観念が生じることを、一貫して避けている。

 約1時間後、イレブンはようやくピッチへ登場。試合形式やサイド攻撃など、直前の話し合いを踏まえたメニューを2時間こなした。小林前監督の下では、週明けの練習後に山形の前節と、次節対戦する相手の編集ビデオを全員で確認。反省点と対応策は翌日以降に実践した。新監督は映像から学んだことを即実行。トレーニングを終えたMF太田は「こっちの方がわかりやすいし、体がスッと動く」と違いを口にした。あとは「勝利」という結果で、効果を立証する。【湯浅知彦】