清水は今季、本職のセンターフォワードで初先発するFW高原直泰(32)が、チームを首位浮上へ導く今季1号を古巣のゴールへ突き刺す。

 いよいよエースの出番だ!!

 首位仙台が敗れれば2年ぶり浮上の可能性があるアウェー浦和との上位対決を翌日に控えたアフシン・ゴトビ監督(48)に迷いはなかった。「彼がスタメンでならなければいけない試合があるとしたら、ここでしょう」。高原がセンターフォワードとして先発のピッチに立つことを明言した。GOサインを受けた高原も「一番上に行けるように結果を出すしかない」と、力を込めた。

 今季、開幕前の専大戦で左膝を痛めたこともあり、ここまでは“切り札”としてチームに貢献してきた。6節の静岡ダービーで後半38分に出場すると、直後の同43分にはFW大前元紀(22)のゴールを演出。9人で勝利を挙げた8節東京戦でも、途中出場から同32分にFW高木俊幸(20)の劇的な決勝点をアシストするなど存在感を発揮。「コンディションはずっと良いですよ」と先発指令を待っていた。

 昨季は、古巣の埼玉スタジアムでゴールを決めた。それでも「去年は去年。今はチームがいい位置にいるし、この上位対決をものにすればもっと良くなっていける」と言う。清水のために、貪欲にゴールを目指し、再び「赤い悪魔」を黙らせる。【前田和哉】