札幌は19日、ブラジル・イグアスFWテレ(22)の完全移籍での獲得を発表した。期間は13年1月1日まで。186センチの高さを生かしたヘディング、力強いドリブル突破と前線での献身的な守備が武器。チームの課題となっている得点力アップのキーマンとして期待される。

 風貌は06年に在籍したFWフッキ(ポルト)似。ロンドン経由で来日する際は、ブラジル五輪代表フッキと同便で「サッカーに集中できるいい環境だ。頑張れ」と激励されたという。さらに三上強化部長はプレースタイルに関し「前からボールを追い込める選手。加入当時のダビ(07、08年在籍)に似ている」と説明した。札幌の2人の英雄との類似点に加え、この日は偶然にも赤シャツ、黒ジーンズで札幌・宮の沢の練習場に登場。「オレの好きな色。赤黒のクラブに入れてうれしい」と笑顔を見せた。

 ブラジルでは15日まで公式戦に出場していた。コンディションは問題なく、この日はフィジカル練習に参加後、メディカルチェックも済ませた。古辺フィジカルコーチは「すぐにいける」と話しており、今日20日の練習から合流予定だ。愛称の「テレ」は、少年時代にブラジルの名将テレ・サンターナ氏に似ていたことが由来。伝説的指揮官の名を背負う男が、札幌の新英雄となり残留に導く。【永野高輔】

 ◆テレ(マルシオ・アウベス・ドス・サントス)1990年2月2日。ブラジル・リオグランデ・ド・スル州生まれ。08年にインテルナシオナルとプロ契約しペロタス、セラミカなどに在籍後、10、11年ジュベントゥージ、今季はカノアス、イグアスの2チームでプレーした。186センチ、82キロ。右利き。尊敬する選手は元札幌FWフッキ。家族は母カルリンダさん(47)と姉、兄、弟、妹。背番号は38。