清水は10月31日、3日に行われる鹿島とのナビスコ杯決勝に向けて三保グラウンドで調整。MF河井陽介(23)が、96年以来16年ぶりの頂点に向けてフル回転を誓った。7対7のミニゲームでは1得点を挙げるなど、キレのある動きを披露。約1時間半のフルメニューを精力的にこなすと「1年目でタイトルを取れるチャンスなんてなかなかない。チャンスをものにできるように最高の準備を整えたい」と、力強く話した。

 前哨戦となった27日のリーグ戦では、トップ下で先発フル出場した。チームは2-1で接戦をものにしたが、河井はシュート0本に終わった。決戦当日も同位置での先発が有力だが「前回は引きすぎてしまい、相手のペースになってしまった。決勝では運動量を生かしてもっと積極的にやりたい。接戦になると思うし、攻撃陣としてチャンスを確実に決めなければいけない。点を取りたい」と、イメージを膨らませる。

 5年前。河井は、藤枝東高のエースとして全国高校選手権決勝を戦った。舞台は、ナビスコ杯決勝と同じ国立競技場。しかし、FW大前元紀(22)が在籍していた流通経大柏の前に0-4の完敗。大粒の涙を流した。「高校最後の試合を勝って終わることができなかった。悔しかった記憶しか残っていない。今回こそは、あの場所で必ず勝ちたい」。今度は、国立のど真ん中で河井が笑う。【前田和哉】