仙台が獲得に乗り出していたG大阪MF佐々木勇人(30)が4日、宮城・塩釜市内で行われた「東北人魂サッカーフェスティバル」で仙台移籍を明言した。近日中にサインを済ませ、両クラブから発表される。佐々木は元日に天皇杯決勝を戦い、3日に宮城入り。故郷でのイベントに志願して参加し「プロになる時から(仙台で)やりたいと思っていた。地元の声援に応えたい」と話した。

 思い出の地で、佐々木が新たなスタートを切った。「毎年、初蹴りをやっている」というグラウンドで、小中学生約300人とボールを追った。高校まで在籍した塩釜FCの50周年という節目の年に、地元仙台へ移籍。「最初に声をかけてくれて、必要な選手だと評価してもらえてうれしかった」。昨年12月中旬に大阪を訪れた手倉森誠監督(45)から直接熱意を感じ、決意は固まった。

 仙台が初挑戦するACLには、G大阪時代から6年連続での出場となる。厳しいアウェー戦が待つ舞台で、27試合2得点。「経験をチームに生かしていきたい」と“攻略法”を伝えるつもりだ。大阪では被災地支援を行う機会が少なかったが「ユアスタに招待したいですね」と早くも「勇人シート」の導入にも意欲十分。地元のサポーターや子どもたちに、輝く姿を見せる日は近い。【鹿野雄太】

 ◆佐々木勇人(ささき・はやと)1982年(昭57)11月29日、宮城・塩釜市生まれ。塩釜FCユースから大阪学院大。99年東北ユースサッカー選手権優勝、最優秀選手。05年にJ2山形へ入団。ルーキーながら開幕スタメンに名を連ねるなど活躍した。08年、G大阪へ完全移籍。J1通算111試合出場、8得点。164センチ、61キロ。家族は夫人と1男。血液型AB。