鹿島に変幻自在のカメレオン男がやってきた!

 J2京都から鹿島に新加入したMF中村充孝(あつたか=22)は24日、移籍後初めて茨城・鹿嶋市内で自主トレに参加した。昨季J2ではトップ下やボランチで41試合に出場し、リーグ5位の14得点。得点能力の高さを買われ、フロント陣からはFW起用の声も上がる。魅惑の「三変化」で、昨季11位と沈んだ“常勝軍団”を上昇させそうな予感だ。

 「三変化」のカメレオンが、さっそく動いた。前日に空路で移動してきたばかりだが、その疲れも見せず約2時間、走り中心のメニューをこなした。中村は「鹿島は全てのタイトルを取れるチームだし、取らないといけない。『自分もその中でやっていくんだ』という気持ちが強い。こういう環境でやりたかった」。言葉から本気度が伝わった。

 本職はトップ下だ。スピードに乗ったドリブルを武器に突進し、局面を打開してきた。ただし鹿島の中盤はダブルボランチとサイドハーフ2枚の「ボックス型」が主流。「多少サイドに張ることがあっても流動的に、自分のよさを崩さないようにしたい」とスタイルを変えるつもりはない。加えて京都ではボランチも経験し、1枚下がってのプレーもお手の物。「自分はチャンスがあったらどんどん前に上がる。基本は攻撃の選手だし、いつでも狙いたい」。小笠原や本田、柴崎ら層の厚いポジションにあって“超攻撃的ボランチ”として勝負する気構えだ。

 これだけでは終わらない。鹿島のフロントは、中村に最前線の点取り屋としても期待。興梠が抜け、計算できるFWは大迫、ダビ、ジュニーニョの3人。緊急時に備え、クラブ幹部は「ゴールに向かう姿勢もいいし、もう1列前(FW)に出してもやれる」と言う。

 利き足の右だけではなく左足のミドルシュートも得意で、どこからでもゴールを脅かせる。リーグ11位に終わった昨季は50得点(7位)だけに、巻き返しへ得点力アップが求められる。中村は「(FWは)やったこともあるし、言われればどこでもやる」。変幻自在のカメレオン男から、目が離せない。【湯浅知彦】

 ◆中村充孝(なかむら・あつたか)1990年(平2)9月13日生まれ。大阪府堺市出身。千葉・市船橋から09年に当時J1の京都入り。リーグ戦通算87試合18得点(うちJ1通算21試合1得点)。家族は夫人。173センチ、67キロ。血液型A。