新守護神が最後尾からゲームをつくる。J2札幌は27日、熊本県民総合運動公園でゲーム形式などを行い、GK杉山哲(31)が主力組に入った。3月3日のJ2開幕千葉戦(フクダ電子アリーナ)では、プロ10年目で初の開幕戦先発が濃厚だ。「もしチャンスをもらえるなら、しっかり期待に応えたい。あと1週間もない。しっかり準備をしたい」と話した。

 本番シミュレーションだった24日の福岡戦は1失点も勝利に貢献。大人のプレーで信頼を勝ち取った。22歳曵地、18歳阿波加との争いも赤池GKコーチは「チーム全体が若返っている。後ろはどっしり構えてくれる選手の方が落ち着く。安定感という部分が大きい」と説明。昨季リーグ戦デビューし、チームGK最多11試合出場の経験と、鹿島時代から培ってきた冷静なゲームコントロール能力が決め手となった。

 指揮官のスタイルを最後尾から表現する。「GKもうまく攻撃につなげるプレーができないと監督の目指すものはできない」。昨季6月9日のナビスコ杯神戸戦では、素早いスローイングでMF岡本の得点を演出した。今季も最終ラインから起点をつくり、つないで崩す財前流を体現する。

 昨年10月に第1子となる長男の豪君が誕生。合宿中は毎日、夫人から写メールが送られてくる。「勝負の世界にいるだけに、とても癒やしになっている」。パパ初の開幕戦は当然、完封勝利で締めにいく。【永野高輔】