<J1:C大阪1-1仙台>◇第4節◇30日◇長居

 10代の頃から天才と言われたC大阪FW柿谷曜一朗(23)が技ありゴールを決めた。仙台に1点リードされた後半6分、相手DF2人をかわし、瞬時に相手GKの動きを見極める同点弾。これでリーグ戦4戦3発だ。マンチェスターUの日本代表MF香川を育てたレビークルピ監督は得点後に「もっとゴールを取れるチャンスがあった」とエースを途中交代させ、高いレベルを求めた。チームは引き分け、開幕からの不敗記録を4に伸ばした。

 センスあふれるゴールだった。0-1で迎えた後半6分。カウンターからゴール前でMFシンプリシオのパスを受けたFW柿谷は、左足アウトサイドでゴール左側にトラップすると、カバーに入った相手DF2人を引き寄せ、その間を抜いてゴール右へと流し込む同点弾。相手GKの位置を見極め、左足で冷静に決めた。

 「トラップでいいところにいけたので、あのコースに蹴れば入るかなと思って流し込みました」

 仙台GK林はカバーに入ったDF陣にファーサイドのケアを任せ、ニアサイドを警戒していた。柿谷はそれを逆利用。相手DF陣を引きつけることでゴール右側にスペースを作った。広い視野と一瞬の判断力、高い技術を兼ね備えていたからこそ奪えた得点だった。

 だが、柿谷はほかのチャンスで決めきれず、後半40分に途中交代。「交代は要求されていたことができていなかったから。シュートを決めきらないと引き分けで終わる」と、反省を口にした。決定力を高めれば、得点力不足が課題の日本代表にも割って入るチャンスもあるだけに、1得点で満足することはなかった。

 レビークルピ監督は「足りなかったのは決定力。引き分けは妥当」と話し、柿谷について「得点を決めても、必ずしもいいパフォーマンスだったとは言えない。もっとゴールを取れるチャンスもあった」と振り返った。かつて、マンチェスターUの日本代表MF香川を育てた名伯楽の評価は厳しいが、それは裏を返せば期待の表れでもある。

 過去3年で公式戦5分け4敗と苦手にしていた仙台に負けなかったことはチームにとっても収穫だ。これで3月の公式戦6試合を無敗で乗り切った。16歳のプロ入り時から天才と言われ続けながら、なかなか力を発揮できなかった男の成長が、好調なチームを支えている。【福岡吉央】