【ソウル1日=亀山泰宏】韓国屈指のタレント軍団に、手負いの仙台が立ち向かう。今日2日、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の第3戦が行われる。仙台はアウェーでFCソウルと対戦。モンテネグロ代表FWダムヤノビッチを中心とした強力3トップを擁する昨季Kリーグ王者を相手に、故障者や連戦の疲労でベストメンバーは組めない仙台だが、手倉森誠監督(45)は「日本の力を示す」と決意をにじませた。

 公式会見で韓国メディアから“直球”の質問が飛んだ。「ベストメンバーが来ていないといううわさがあるが」。確かに、昨季まで2年連続チーム得点王のFW赤嶺やDF角田はケガで不在。3月30日のアウェーC大阪戦後には中2日の連戦は難しいと判断し、ここまで公式戦全6試合でフル出場したDF石川と不動の右サイドバックMF菅井を大阪から仙台に帰した。それでも手倉森監督は「仙台は誰が出ても戦えるチーム作りをしている。メンバーを入れ替えても、力を落とさずに戦える」と弱みを見せなかった。

 相手はE組最強の呼び声高いFCソウル。昨季31ゴールでKリーグ得点王とMVPを獲得したダムヤノビッチは、3月のW杯欧州予選でイングランドからゴールを奪ったストライカーだ。さらに昨年18得点19アシストをマークした元コロンビア代表MFモリーナ、前浦和のFWエスクデロと攻撃陣をそろえ、しかも監督は現役時代に市原(現千葉)などで活躍した、あの崔龍洙。今季は国内リーグ4試合で未勝利と苦しんでいる分、ACLを浮上のきっかけとするべくモチベーションも高い。

 手倉森監督は「デヤン(ダムヤノビッチ)、モリーナ、エスクデロという3トップは強烈なタレント」と敬意を表しつつ「組織で彼らの自由を奪いにいく」と言った。DF渡辺も「チャレンジ&カバーを90分間続けるしかない」と体を張る覚悟を示した。「アジアでしのぎを削る両国の対戦は、アジアを引っ張っていく戦いにしないといけない。日本の力を示すんだという強い意志を持って臨む」。ACL初勝利へ、指揮官の言葉通り一丸となって意地を見せる。