【ソウル(韓国)1日=亀山泰宏】職人芸がKリーグ王者相手にどこまで通用するか。仙台は今日2日、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)FCソウル戦に臨む。右足小指の骨折から復帰し、3月30日のC大阪戦に途中出場したMF富田晋伍(26)の先発が濃厚。「まだ分からないけど、最初からだったら自分の良さをどんどん出していきたい」と静かに闘志を燃やした。

 3月12日の江蘇舜天戦はケガのため同行せず、海外アウェーの雰囲気を初めて味わうことになる。それでも「まだ実感はないけど、そういう(完全アウェーの)状況でできる楽しみはある」と頼もしい。もともと走り込みなどフィジカルトレーニングが苦手で、試合になるとテンションが上がるタイプ。「コンディションは良くなっているし、セレッソ戦で途中から出て、余計にやりたい気持ちが強くなった」と、ひたすらゲームに飢えている。

 相手は前線に豊富なタレントを擁する強豪。一方で相手の懐に潜り込むような富田のボール奪取テクニックは、大柄な選手にひときわ威力を発揮する。「難しい試合になるのは、みんな分かってる。その中でも勝ち点3、ACLは(2分けで)勝ててないので、勝ちにいきたい」。高い位置でボールを奪い、必殺のショートカウンターで得点を奪う。ベガルタの勝利の方程式は、富田から始まる。