頼れる闘将が帰ってくる。仙台DF角田誠(29)が、明日10日のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)FCソウル戦で“アジア初勝利”をもたらす。左足首の捻挫が癒え、2月26日のブリラム戦以来となるスタメンが有力。2分け1敗でE組3位。グループ首位をホームに迎え、決勝トーナメント進出へ負けられない一戦となるが「今のチーム状態でも十分に戦える」と自信をのぞかせた。

 角田の滑らかな口ぶりが、状態を物語っていた。3月1日に故障。当初は同30日のC大阪戦で復帰を目指しながら間に合わず、6日の新潟戦を前にしても「自分の思うプレーができてない」と、もどかしさを隠せなかった。それが8日の練習後は一変。ミニゲームは2本とも主力組に入り「90分、やるつもりでいきますよ。(久しぶりで)体力的にはきついだろうけど、アドレナリンでカバーできると思う」と、うなずいた。

 鋭い戦術眼で手倉森監督から全幅の信頼を置かれる男は、チームの現状をシビアに見ている。完封負けした新潟戦は「シュートを打てるタイミングで打たへんかったり、思い切ったプレーが少ない。ボールを回せるから、それに意識がいきすぎてるのかな」。さらに、発展途上の3トップシステムについて「みんな引く動きが多すぎるから、前に人が少ない。ボールは回せているけど、端から見れば迫力に欠けるところもある」と踏み込んだ。

 もちろん、2勝1分けで首位を走るFCソウルについても分析は抜かりない。「思ったよりは強くない。(2日の)アウェーでは失点が早くて難しくなったけど、今のチーム状態でも十分に戦える」。敵地での借りは、ホームで返せると見る。

 角田復帰に伴い、明日10日の試合はスタートからボランチを2枚にして臨む可能性が高い。「(現段階で)このチームは『4-4-2』が慣れてる。多少長いボールでヨシ(太田)を走らせたり、タカ(中原)が出るならタカを狙ったり、まずボールを回すんじゃなく、相手の嫌がることをして主導権を握る。仙台の特徴を出さなあかん」。1カ月以上遠ざかっていた試合を目前に控え、臨戦態勢は整っている。【亀山泰宏】