<J1:磐田2-4川崎F>◇第12節◇18日◇ヤマハ

 川崎FのFW大久保嘉人(30)が亡き父に勝利をささげた。川崎Fは敵地で磐田に快勝し、リーグ戦4試合不敗で好調を維持。12日に父克博さん(享年61)を亡くした大久保は葬儀・告別式を終えて試合2日前の16日に再合流という過密日程の中、勝利に貢献した。

 再合流してから調整期間はわずか2日間。当然ベストの状態ではない。「練習してないし、体が動けないと感じた。守備の時に走ろうと思った。(攻撃でなく)違う部分で貢献しようと思った」。攻撃でも軸とはなったが、激しい前線からの守備でもけん引した。

 激動の1週間だった。11日のC大阪戦後に、福岡県内の病院に急行。12日の克博さんの最期をみとった。15日の葬儀・告別式までは線香を絶やさぬように、ほぼ寝ずに父親のそばにいた。「普通なら出してくれないと思う」。そんな状態ながらチームのために駆けた。

 風間監督は「彼(大久保)の精神力の強さは若手の見本になるし、サッカーマンとして尊敬に値する」と称賛。この日、シュート1本に終わった大久保は「やっと、この1週間が終わったなと。ホッとしました。これで切り替えてやれる。(父親に対して)勝ったことは良かったんじゃないですかね」と静かに笑った。【菅家大輔】