<天皇杯:ソニー仙台1-0グルージャ盛岡>◇1日◇1回戦◇盛岡南

 JFLソニー仙台(宮城代表)が東北社会人リーグのグルージャ盛岡(岩手代表)を下し、2回戦に進出した。前半は5バックで固める相手の守備を崩せなかったが、後半は両サイドを使いながら好機をつくり、同27分にFW沢口泉(27)が先制ゴール。8月にJ2山形に移籍したFW大久保剛志(27)の代わりにトップを任された男が大一番できっちり決めた。7日の2回戦はJ1鹿島と対戦する。

 背番号「10」のFW沢口が試合を決めた。0-0の後半27分、「いいところに来た」とゴール前でFW宮尾勇輝(27)のヘッドに左足で合わせ先制。今季のリーグで決めた2本はいずれも同点弾だっただけに、決勝となる1発に「これでチームに貢献できたかな」と顔をほころばせた。

 5月12日以来、約4カ月ぶりのゴールだった。昨季は26戦出場で6得点。今季も初戦から3戦連続で先発出場していたが、脚の肉離れで離脱。その間に同じポジションのライバルFW大久保がぐんぐん得点を伸ばし、完治しても途中出場が続いた。

 22戦で12得点を稼いだ大久保が8月に山形に移籍すると再び先発の座をつかんだ。縦への突破力のある大久保に対し、相手DFとの駆け引きでチャンスを作る沢口。「(大久保)剛志とはプレースタイルが違うんで、(周りの選手と)うまく合わなかった」。練習中から声をかけ合い、大久保の穴を埋める新たな形を探ってきた。

 新エース沢口はゴールにはこだわらない。「僕が取れなくても誰かが(点を)取れるよう意識してます」。石川雅人監督(37)も「周りを生かせる。起点になる選手」とたたえる。

 7日にはJ1鹿島と戦う。沢口は「ひと泡吹かせる。それが楽しみな大会だと思うんで」とニヤリ。献身的な動きで、10年にベガルタ仙台を倒して以来の「J斬り」を狙う。【高場泉穂】