夢に終わりはない。J2山形FW大久保剛志(27)が2日、被災地の子どもたちを支援する「スポーツこころのプロジェクト・笑顔の教室」の講師として宮城県石巻市立鮎川小を訪問。5、6年生17人に体験談を語った。JFLソニー仙台時代から約50クラスを回り、山形との契約時に活動継続を希望。水戸戦出場翌日にもかかわらず、朝から牡鹿半島に駆けつけた。

 挫折を繰り返して夢をつかんだ男の言葉は重かった。岩沼西小2年で「プロになる」とサッカーを始め、6年まで県内無敗。「天才だと思っていた」とエースで臨んだ全国大会の予選リーグで4連敗し、最初の壁にぶち当たった。18歳で仙台とプロ契約したが、3年間ほとんど出番なし。「ゲーム機が目の前にあるのに、できないのと一緒。本当につらいよね」。小学生の目線で自作のパネルを用いながら語った。

 子どもたちが夢を発表し合うと「悪いことの方が多いけど諦めないで」とエールを送った。そして、まだ夢があると言った。「山形をJ1に昇格させること」。努力すれば必ずかなうことを証明する。【鹿野雄太】