<J1:仙台6-0大分>◇第25節◇14日◇ユアスタ

 秋の気配が漂ってきた杜(もり)の都で、季節外れの“花火大会”が開催された。仙台がホームで大分を粉砕した。DF角田誠(30)の2ゴール、MF梁勇基(31)の絶妙ヘディング弾に2トップもそろい踏み。DF石川大徳(25)の移籍1号まで飛び出し、リーグ戦チーム史上最多6発のゴールラッシュとなった。5戦ぶりの勝利で順位も9位に浮上し、残り9試合での巻き返しへこれ以上ない弾みをつけた。

 ちょんまげを結った角田のヘディングは“頭2つ”高かった。前半5分、梁のCKをドンピシャでゴール右隅にたたき込んだ。闘将の先制パンチで主導権を握り、ここから一気にたたみかける。昨季猛威を振るった攻撃的守備を全面解禁。30分には富田を起点に流れるようなショートカウンターを発動。左サイドに抜けたウイルソンがタメを作り、ゴール前へふわりとクロスを上げると、走り込んだ梁が頭で絶妙に軌道をずらして追加点を奪った。

 手倉森監督は「低迷しているチームに勝ち点を与える優しい仙台にならないように」と苦笑交じりに話していたが、最下位大分相手に前節湘南戦(2-3)の過ちは繰り返さなかった。後半早々に梁がゲットしたPKをウイルソンがまさかの失敗。しかし、完全に目を覚ましたチームには関係ない。8分に梁のスルーパスから柳沢が左足ループで3点目。16分には石川大が途中出場から1分もたたないうちに移籍後初ゴールを決めた。20分には再び角田。松下のFKから渡辺が折り返したボールを、頭で押し込んだ。

 37分にはウイルソンが左足で豪快に突き刺し、チームの歴史に残るゴール祭りを締めくくった。得点を決めた選手だけではない。驚異的な粘りとボール奪取を連発した富田、石川大のゴールをアシストするなど再三キレキレのドリブルを披露した太田、そして、どんなにリードを広げようがボールを追い回して貪欲に追加点を狙う全体の姿勢。忘れていたストロングスタイルを思い出したかのようにピッチで躍動した。

 守備でもきっちり完封し、角田は「今日に関しては全員の守備意識が高く、前からよく走ってくれた」と会心のドヤ顔。さらにサポーターに向け「こういうゲームをこれからも続けられるように。残り9試合全部勝ちたい。まだ諦めてないんでね。最後まで一緒に戦いましょう」と高らかに逆襲を宣言した。【亀山泰宏】