<J1:清水2-1名古屋>◇第25節◇14日◇アイスタ

 

 清水がFW大前元紀(23)の決勝点で名古屋を退け、今季初の3連勝を飾った。1-1の同点で迎えた後半ロスタイム。途中出場のFW村田和哉(24)のクロスを頭で合わせ、ネットを揺らした。大前にとってホーム日本平でのリーグ戦の得点は、昨季の第32節G大阪戦以来301日ぶり。「天皇杯では決めたけど、リーグ戦の日本平で点を取りたいと強く思っていた。チームを助けるために帰ってきたし、そういう意味では理想のゴールだと思う」と胸を張った。

 ゴールへの強い思いが、大前を動かした。値千金の勝ち越し点は、自らハーフライン付近で1度起点となり村田へ展開。残されたゴールまでの距離はおよそ50メートル。気温30度近いピッチで90分を走り続けた体は限界に近かったが、全力でマークを振り切り、誰よりも早くゴール前へ飛び込んだ。大前は「相当きつかったけど、走る苦痛より引き分けで終わる方がきついでしょ!?」と、笑顔を見せた。

 これで、天皇杯2回戦の藤枝MYFC戦を含めて公式戦3戦連続ゴール。大前は「これに満足しないで、目の前の1試合1試合を勝っていくだけ」。残り9試合。昨季チーム最多の13得点を挙げたエースの“帰還”とともに、清水が勢いに乗ってきた。【前田和哉】