<J1:鹿島1-2浦和>◇第29節◇19日◇カシマ

 浦和が鹿島を圧倒し2位に浮上した。前半3分にFW興梠がヘッド、同6分にはDF槙野がシュートと、開始直後から攻め込んだ。今季、ホーム無敗の鹿島から完全に主導権を握った。前半20分にMF柏木のCKをDF那須が決めて先制すると、相手に退場者が出て数的優位になった後半26分、FW原口が追加点。鹿島の反撃を1点に抑えた。

 原口は「打つ瞬間にイメージできた。ナビスコ杯決勝(03年鹿島戦4-0)で(田中)達也さんのゴールのような感じだなと。得意なパターンだった」。盛り上がったチームのムードが自然とゴールへ向かわせた。ペトロビッチ監督(56)は「前半からアグレッシブに戦ってくれた。大宮戦、ナビスコ杯の川崎F戦と安定している。うまくコントロールしていたし、勝利に値するプレーだった」と全員を褒めちぎった。

 試合前日の18日は指揮官の56回目の誕生日だった。夕食会場で選手たちから、ケーキのほかに、バッグと赤いストールが贈られた。MF柏木が店を回り、数点の候補に絞った上でチームメートから意見を集約し決定する念の入れようだった。決戦前夜のサプライズ演出にペトロビッチ監督の目は潤んだ。「全員の目を見たが、本気で祝ってくれていたのがうれしかった。この年になると涙腺が弱くなる」。

 チームスタッフの準備も実を結んだ。カシマスタジアムの芝丈が比較的長いことを想定し、練習場の芝を通常より長くし、練習前の散水も行わなかった。結果的に試合中に雨が本降りになったが、雨量が少なかった前半に主導権を握れた要因でもあった。

 監督は「この戦いをいかにコンスタントに出来るか、その不安があるのは否めない」と引き締めた。次戦の柏戦は興梠と森脇が累積警告で出場停止。優勝へ向けて残り5試合。地力が試される。【高橋悟史】