逆転優勝に向けて、浦和FW興梠慎三(27)が「撃ち合い歓迎」の姿勢を見せた。日本代表の活動で約2週間中断したJリーグは今日23日再開する。残り3試合で、首位横浜から4位鹿島までが勝ち点3差にひしめく混戦。2位浦和の興梠は、激しい攻め合いが予想される中、ナビスコ杯準決勝に続く川崎F戦の3連発を狙う。

 点を取り合う展開になればなるほど、興梠の見せ場は多くなる。リーグ総得点数では2位と攻撃力のある川崎Fとの対戦に「相手は前からどんどん来る。撃ち合いになると思う。そうなればスペースも空いてくるし、やりやすい」と“乱打戦”の展開を期待した。

 川崎Fとは相性がいい。ナビスコ杯準決勝では9月7日の第1戦(2●3)で2得点、10月12日の第2戦(1○0)で1得点。興梠は「(大久保)嘉人さんは得点ランキングトップだし、確実に狙って来るでしょ」。相手の攻撃陣を警戒しながらも、お互いが前がかりになることを望んだ。

 もちろん単なる“乱打戦”にするつもりはない。リーグ中断前の10日仙台戦では、後半ロスタイムに追い付かれて引き分けた。「1点差だったのを2点差にできなかったことも要因」と反省。セーフティーリードを意識してゴールを狙う。

 浦和の総得点数はリーグトップ。ペトロビッチ監督は「今回も目指すのは攻撃的なサッカーだ」と攻める姿勢を貫く。そのスタイルを体現できるのは興梠がいてこそ。残り3試合。09年の鹿島時代に並ぶ12得点を挙げているエースが、シーズン自己最多得点を更新し続ければ優勝はおのずと近づくはずだ。【高橋悟史】