ボンバーが「MVP横取り弾」を狙う!

 9年ぶりのリーグ優勝に王手をかける横浜は27日、横浜市内で調整した。DF中沢佑二(35)は、勝てば優勝が決まる30日のホーム新潟戦(日産ス)で、8年ぶりの2戦連続ゴールの期待がかかる。ここまでチームで唯一、全試合に先発。MF中村俊輔(35)がMVPの最有力候補と目される中、攻守にわたる活躍でフィナーレを飾れば、史上初の2度目の受賞も夢ではない。

 “ゴールデンボンバー”となるべき舞台が用意された。勝てば無条件でリーグ王者となれる一戦。相手は、昨年8月のホーム試合で2得点している新潟だ。中沢は「FWもセンターバックも、去年とはメンバーが全然違う。新潟とは相性が良いと言われるけど、相性でサッカーをやれるなら、占いで決めればいいんです」。あくまで、自分自身の力で勝利をつかみ取る。

 前節磐田戦で決めた今季初得点は、優勝に王手をかける決勝点となった。「FWの選手は、こんな気持ち良い思いをしてんのか~」と、すっかりエースストライカー気分。05年7月9日名古屋戦以来、8年ぶりの2戦連発の予感が漂う。

 前回優勝した04年の浦和とのチャンピオンシップ。中沢は、得点王(27点)の浦和FWエメルソンを2戦連続で完封し、MVPを受賞。27試合1得点とフル回転した功績から、年間MVPにも輝いた。今季もチームで唯一全試合に先発し、負傷で途中交代した5月25日の第13節の鳥栖戦以外はフル出場。2829分の出場時間はクラブ最長で、28失点はC大阪と並ぶリーグ最少タイだ。10得点の司令塔MF中村、チームトップ16得点のFWマルキーニョスがMVP候補だが、中沢が優勝を決める一撃を決めれば、勲章を横取りできる可能性はある。

 「うちはベテランが多く、夏でこけると思われていた。年齢で順位は決められない。意地というかプライドというか」。下馬評を覆したい一心で戦ってきた。今年の集大成を見せつける。【由本裕貴】