J2山形の千葉・館山キャンプで、ルーキーMF汰木(ゆるき)康也(18)が開幕スタメンに闘志を燃やした。昨秋に左ひざを痛め、大事を取って別メニュー調整を続けていたが、前日24日から全体練習にフル参加。25日の練習でも、随所でU-18(18歳以下)日本代表らしい非凡な動きを見せた。

 今季、山形でただ1人の新卒ルーキー汰木が、プロ初キャンプに挑んでいる。昨年11月上旬のJユースカップで左ひざの外側を負傷。キャンプ2日目まで、ボールを使った午後練習は別メニュー調整だった。汰木は「もう痛みはありません。早くベストコンディションに上げていきたい」と気持ちを高めている。

 まさにプロ向きだ。183センチのすらりとした長身に甘いマスク。だが外見だけではない。昨季は日本クラブユース選手権で横浜の優勝に貢献。MVPに輝いた。トップチームにも2種登録された。まだ細身だが、持ち味は精度の高い技術力。サイドハーフとして「相手DFを1枚はがしてからドリブルで持ち込み、得点にも絡みたい」と目標を掲げる。

 キャンプでは前日24日から10対10のボールゲームにフリーマンで参加。全体練習後は石井孝典フィジカルコーチ(33)から課外授業も受けた。石崎信弘監督(55)は「まだディフェンス免除の特別待遇。期待の星じゃからね」と汰木のひざの状態を気遣いながら、将来性に期待している。

 山形(天童市)ではチーム指定の1DKのアパートで初めて1人暮らし。「サッカーをして飯が食える」とプロ意識も芽生え始めた。リーグ開幕前日の3月1日は旭高(神奈川)の卒業式だ。開幕メンバーに入れば出席できない。汰木は「(卒業式に)出るつもりはありません」ときっぱりと宣言した。【佐々木雄高】

 ◆汰木康也(ゆるき・こうや)1995年(平7)7月3日、横浜市出身。旭高在学中で今春卒業予定。4歳から原FCでサッカーを始める。横浜プライマリー(原小)、同ジュニアユース(西中)を経て、13年まで同ユース所属。昨季は横浜に2種登録される。13年U-18日本代表、U-18Jリーグ選抜、日本クラブユースサッカー選手権(U-18)最優秀選手。背番号25。家族は両親、妹2人。183センチ、65キロ。血液型B。