仙台のグラハム・アーノルド監督(50)が、ついに攻撃練習を“解禁”した。宮崎・延岡での第2次キャンプ初日となった3日、DFラインからの組み立てやポジショニングなどを指導。「ショートパスをつなぎながらコンビネーションで崩すために、多彩な攻撃パターンを取り入れる」と昨季悩まされた得点力不足の解消に着手した。

 始動から15日目にして、指揮官の「ビルドアップ講座」が開かれた。全選手が各ポジションに散り、最終ラインまでボールを戻すと監督の「GO!」の掛け声でスタート。「動きだすタイミングを考えろ」という指示のもと、連動しながらボールを受け渡し、テンポ良くパスを回していった。最後尾から細かくつないでいくとなればCB陣の足元の技術が重要になるが、DF鎌田次郎(28)は「去年からの延長で、新しい約束事とかスパイスが入った感じ。これを基本にしていきたい」と手応えを口にする。

 午前、午後と徹底して基本をたたき込む中、前線に大きく蹴り出すことは1度もなかった。ボランチの1人がDFラインまで下がり、両サイドバックが高い位置を取る形も指導したが「(監督は)まだ、さわり程度だと言っていた」と鎌田。延岡で“アーニー流”の攻撃スタイルの全貌が見えてきそうだ。【鹿野雄太】