新助っ人が開幕からフル稼働宣言だ。仙台MFマグリンチィ(27)が、宮崎キャンプ2日目の17日に行われた戦術練習で主力組の左MFでプレー。好調をアピールし、3月1日の開幕スタメンが現実味を帯びてきた。また、同5日に日本と国際親善試合で対戦するニュージーランド代表にも選出。“代表戦最後の国立”の舞台にも強い意欲を示した。

 マグリンチィが、来日1年目とは思えない仕上がりの早さを見せている。キャンプ序盤と比較しても得意のドリブルにはキレが増し、この日の練習ではシュートを左右問わず、頭でも決めた。「マイキー」の愛称で親しまれるMFは「調子は段階的に上がってきている。いい準備をして、開幕戦はスタートから出たい」と静かに闘志を燃やす。

 高い技術に加え、ユーティリティー性も発揮してきた。12日のJ2長崎との練習試合ではボランチでプレー。積極的に前線へ飛び出し、決定的なシュートも放った。視野の広さを生かした展開力も証明し「代表ではやったことがあるポジション。得意なのは両サイドハーフだけど、攻撃的でも守備的でも大丈夫」と力強い。セントラルコーストでも4年間指導してきたアーノルド監督(50)も「マイキーのポジションは試合によって考える」と愛弟子に信頼を置く。

 いきなりの強行日程も望むところだ。開幕戦の相手の新潟には、ニュージーランド出身のDF舞行龍(まいける)ジェームズがいる。昨年日本国籍を取得した旧友との再会に「代表でも一緒にやっていたし、久しぶりにプレーできるのが楽しみ」と対戦を心待ちにしている。その4日後に控える代表戦についても「日本は強いチームと認識している。メンバーに選ばれてうれしいし、ぜひ試合に出たい」と意欲十分。日本での活躍を誓って指揮官とともにやってきた男は、スタートからフル回転するつもりだ。【鹿野雄太】

 ◆マイケル・ライアン・マグリンチィ

 1987年1月7日、ニュージーランド・ウェリントン市生まれ。2005年にスコットランド1部のセルティックに入団し、17歳でデビュー。07年から同リーグのダンファームリンへ期限付き移籍。09年にオーストラリアのセントラルコーストに加入し、10年は再びスコットランド1部のマザーウェルにレンタルされた。今年から仙台に期限付き移籍。スコットランドU-21代表とニュージーランドA代表を経験。家族は夫人と1男。175センチ、68キロ。